フォーメーションとシステム
フォーメーションとシステムと聞いて、その違いが分かるだろうか。
なかなかその違いが分からず、一緒になってしまっている人が多いと思う。
今回はその違いについて話したい。
<フォーメーション>
4-4-2、4-1-2-3、3-4-3などと表すのがフォーメーションである。
簡単にいうとフォーメーションは数字で表した選手の配置、並びだ。
キックオフの時や自チームのゴールキックの時にこの形になっていることが多い。
<システム>
システムとは、選手の動き方、守備の方法や攻撃方法など、試合中での機能を含んだものである。
「戦術」と似たような意味で使われる。目的に応じて、試合中に複数のシステムが使われることもある。
<フォーメーションで配置された場所が自分の仕事場ではない>
フォーメーションで配置された場所が自分の仕事場と思っている人がいる。例えば左サイドMFの時の主な仕事場は左サイドの攻撃と守備(上下の動き)で、マークするのは相手の右サイドDFだから、右サイドDFがボールを持ったら、ただボールを取りに行けばいいという考えだ。
フォーメーションとシステムを勘違いしていまうと、このような固定概念を生んでしまう。
フォーメーションはあくまでもスタートの配置にすぎず、試合中は選手がどこまで守備をするのか、どこから守備をするのかなどの目的や状況に応じたシステムによってポジションを変えていく。
システムに出会うことでフォーメーションの固定概念から解放されるだろう。
〇システムの変更〇
例えば4-1-2-3のチームでいうと、攻撃では5ライン理論にもとづいて三角形を作りながら
ポゼッションサッカーをする。奪われたら4-4-1-1にシステムを変えてブロックを作る。DF4人、MF4人並んでいる形(ダブルライン)がスペースを消すのに適しているためだ。ここでの4-4-1-1は守備の時に、どう機能させるかを表すシステムとなる。
こういった戦い方は、フォーメーションを見ただけでは分からない。
攻撃から守備でのシステムの変更(4-1-2-3から4-4-1-1へ)
攻撃の時にも使われるシステムの変更。
例えば、4-1-2-3のフォーメーションでスタートする。
⑪がボールを受けに落ちてくるいわゆる0トップの形になる。
⑪が動いて空いたスペースに⑧が入る。⑧が動いて空いたスペースに⑨が入り、⑨が動いて空いた
スペースに②が偽サイドバックの動きで入る。
このシステムでは、フォーメーションで配置されたポジションと、試合中に位置するポジションが
全く違う選手がいるということがよくわかるいい例になる。
攻撃で使われるシステムの変更
システムは何を基準に作るものか
では、システムはどうやって作るのか。何をでは、システムはどうやって作るのか。何を基準に考えたらいいのか。
システムは、選手の個性によって作られる。
選手の持っている個性、特徴をチームで生かせるシステムを作るのだ。
守備では、どこから1stディフェンスをするか、いかに効率よくダブルラインを作るかが大切であり、選手の個性や奪われた場所によって決める。ただボールを追うだけは戦術ではない。
(*ダブルライン・・・DF4人のライン、MF4人のラインで相手に対しブロックを作ること)
攻撃では、スペースをどう使うのかで決まる。
しかし、選手の個性を生かすために、同じフォーメーションでもシステムが変わり、全く異なる動きになってくる。
例えば、マン・Cのグアルディオラ監督の場合は、サイドに幅をとってスペースを使い、アトレティコのシメオネ監督は相手を引き込んでカウンターでスペースを使う。
マン・C(サイドに幅をとってスペースを使う)
アトレティコ(相手を引き込んでカウンター)
2チームはほぼ同じフォーメーション(DF4人、両サイドMFにFW1人で真ん中は3人で三角形の布陣)
だが、スペースの使い方の違いでシステムが変わり、チームとしての動きが全く違うものになる。
このように、選手の個性によってシステムは作られる。選手の個性によてスペースの使い方が変わるからだ。
フォーメーションだけではなく、システムを取り入れることによって、スペースの使いが
変わってくる。これがフォーメーションとシステムの違いである。
EVO FCでは、フォーメーションにとらわれすぎずに、システムで戦っていくチーム作りをしていきたいと考えています。
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